尺貫法とは
長さを尺、重さを貫、体積を升とした基本単位で、日本在来の計量単位系のことです。
尺・貫・升を使う度量衡(どりょうこう)は、中国から伝来して大宝律令(701年)で国に制定されました。しかし、地域、年代、用途によって数値がばらばらだったため1875年(明治8年)に明治政府が数値を統一しました。
「尺貫法」という名称はこの時に付けられました。
その後、1885年(明治19年)に日本がメートル条約に加入後は、国際的統一単位のメートル法を基準とするようになりました。
また、1891年(明治24年)制定の「度量衡法」において、尺・貫・升をメートルやキログラムを基に規定し、現代で一般に使われる尺貫法の数値の基準になっています。
計量法施行法により1959年(昭和34年)1月1日(国の機関等では1966年4月1日)以降、特別な場合を除いて取引・証明上の計量に尺貫法を用いてはならないとされました。
度量衡法(どりょうこうほう)とは
長さ・面積・体積・質量・時間・その他の単位や計量器などについて定めた法律のことで、1891年(明治24年)制定され、1951年(昭和26年)「計量法」と改められました。
「度量衡」は、
「度」=長さ・距離(面積)
「量」=体積・容量
「衡」=質量
のことです。
1885年(明治19年)に日本はメートル条約に加盟し、1889年にメートル原器を交付されました。
そして、1891年(明治24年)に尺(長さ)をメートル原器、貫(質量)をキログラム原器を基準にした「度量衡法」が制定されました。
このとき、尺とメートル、貫とキログラムの関係を簡略化できるように配慮されています。
〈曲尺:かねじゃく〉……建築で使う「尺」
1尺=10/33m≒30.303cm
〈鯨尺:くじらじゃく〉…和裁で使う「尺」
1尺=25/66m≒37.878cm
〈貫〉
1貫=15/4kg=3.75kg
『尺』について
「尺」は尺貫法における長さの基本単位です。
現在では、一般に「尺」というと曲尺(10/33m)を使いますが、和服に関しては鯨尺(25/66m)を使います。
以下には『尺』の種類を紹介していきます。
曲尺(かねじゃく)
建築用の寸法。また、大工が使う直角に折れ曲がった形の金属製の物さし。
鯨尺(くじらじゃく)
和裁用の寸法。和裁用に使われてきたものさし。もともとは、鯨の鬚(ヒゲ)で作られていたことからこの名があります。
折衷尺(せっちゅうじゃく)
曲尺の一種。享保尺きようほうじやくと又四郎尺とを、伊能忠敬が折衷して作った尺。 現在に残る遺品によればその一尺は30.304センチメートル。
◇享保尺(きょうほうじゃく)
曲尺の一種。
享保年間、徳川吉宗が紀州熊野神社の古尺を写して天文観測に用いたと伝えられる尺。
1尺=30.363cm。
◇又四郎尺(またしろうじゃく)
曲尺の一種。永正年間(1504~
1尺=30.258cm。
◇呉服尺(ごふくじゃく)
江戸時代まで布を測るのに用いた物差し。 曲尺(かねじゃく)の1尺2寸(約36.4センチ)を1尺とする。
以上 尺貫法について紹介しました。
日本に伝わる単位で現在も使用している単位です。 知識のひとつとして覚えておいてもいいかもしれません。
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