錯イオン
錯イオンとは
錯イオンとは、金属の陽イオンに分子や陰イオンが配位結合することによってできたイオンのことです。
このとき金属イオンに配位結合している分子や陰イオンを「配位子」と呼びます。
金属イオンの種類によって配位子の配位結合できる数が決まっていて、その数を「配位数」と言います。
錯イオンの構成
錯イオンの名称は、
① 配位子の数 ② 配位子の名称 ③ 金属名 の順で表示されます。
配位子の名称と数詞の読み方
いくつかのイオンは、金属陽イオンに配位結合して配位子になると以下のような名称になります。
- 塩化物イオン:Cl- ⇒「クロリド」
- 酸化物イオン:OH- ⇒「ヒドロキシド」
- シアン化物イオン:CN- ⇒「シアニド」
- アンモニア分子:NH3 ⇒「アンミン」
- 水分子:H2O ⇒「アクア」
錯イオンではギリシャ数詞の読み方で名称を表します。
1 ⇒「モノ」
2 ⇒「ジ」
3 ⇒「トリ」
4 ⇒「テトラ」
5 ⇒「ペンタ」
6 ⇒「ヘキサ」
覚えておくべき錯イオン
名称 | イオン式 | 価数 |
---|---|---|
ジアミン銀(Ⅰ)イオン | [Ag(NH3)2]+ | 1 |
テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン | [Cu(NH3)4]2+ | 2 |
テトラアンミン亜鉛イオン | [Zn(NH3)4]2+ | 2 |
テトラヒドロキソアルミン酸イオン | [Al(OH)4]ー | 1 |
テトラヒドロキソ亜鉛酸イオン | [Zn(OH)4]4ー | 4 |
ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン | [Fe(CN)6]4ー | 4 |
ヘキサシアニド鉄(Ⅲ)酸イオン | [Fe(CN)6]3ー | 3 |
ビス(チオスルファト)銀(Ⅰ)酸イオン | [Ag(S2O3)2]3ー | 3 |
以上、『試験に出るイオン式一覧 暗記表【錯イオン一覧付き】』を紹介しました。
H+、Na+など基本のイオン式は中学から学んできたと思いますが高校ではこれらの数が増え、更に複雑な錯イオンも覚えなければいけません。
暗記が基本となるイオン式ですが、ただ暗記するよりもある程度 意味を理解したほうがしっかり頭に入ってきます。
諦めずにしっかり学習しましょう。
錯イオンのおまけ
- [Ag(NH3)2]+/ジアンミン銀(Ⅰ)イオン/2/無色/直線形
- [Cu(NH3)4]2+/テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン/4/深青色/正方形
- [Zn(NH3)4]2+/テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオン/4/無色/正四面体形
- [Fe(CN)6]4-/ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン/6/淡黄色/正八面体形
- [Fe(CN)6]3-/ヘキサシアニド鉄(Ⅲ)酸イオン/6/黄色/正八面体形
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