『平家物語 扇の的』 要点のまとめ
係り結び
「ぞ・なむ・や・か・こそ」という「係り助詞」によって文末が変化する。
扇も射よげに(ぞ)なつたり(ける)
ひいふつと(ぞ)射切つ(たる)
扇は空へ(ぞ)上がり(ける)
海へさつと(ぞ)散つたり(ける)
(「けり」が「ける」,「たり」が「たる」,「つる」が「つれ」に変化)
対句
おごれる人も 久しからず ただ 春の夜の夢のごとし
↑↓
たけき者も つひには滅びぬ ひとへに 風の前の塵に同じ
沖には 平家 船を一面に並べて 見物す
↑↓
陸には 源氏 くつばみを並べて これを見る
かぶらは 海へ 入りければ
↑↓
扇は 空へぞ 上がりける
沖には 平家 ふなばたをたたいて 感じたり
↑↓
陸には 源氏 えびらをたたいて どよめきけり
時刻 : 酉の刻
二月十八日の酉の刻ばかり → 酉の刻は何時頃か…18時(午後6時)
どちらの勢力がどうしているのか
源氏が陸に、平家が海にいる。
平家が源氏を挑発し、扇をさおにつけた小舟を出す
源義経が那須与一に扇を射るように命令する
与一の腕前に感動して踊ったのは平家の武士
踊っている武士を射倒すように命じたのは源義経
「情けなし」の意味
「心ない」とか「情け知らずだ」
擬音語・擬声語はどの言葉か
「ひやう(ど)」「ひいふつ(と)」「さつ(と)」「ひやうふつ(と)」
「をりふし北風激しくて,~ひらめいたり。」は,どんなことを表しているか。
船の扇の的を射るには条件が悪く、的に当てるのが難しい状況。
「これを射損するものならば,弓切り折り自害して,人に二度面を向かふべからず。」から、与一がどのような気持ちでいるとわかるか。
源氏の名誉がかかっていることを意識し、命をかける覚悟でいる。
「平家の方には音もせず」とは、どのようなことか?
源氏を恐ろしく思ったため。
源氏の与一が扇を射たとき、平家の武士は敵の与一を称賛して踊ったが、源氏は踊っている人物を射るという非情な行動に出たため。
扇までの距離
四十間(約72メートル)とされています。
よみがな・読み方
平家物語 → へいけものがたり
扇の的 → おおぎのまと
那須与一 →なすのよいち
酉の刻 → とりのこく
をりふし→ おりふし
揺りすゑ漂へば→ ゆりすえただよえば
いづれも→ いずれも
人に二度面を向かふべからず → ひとににどおもてをむこうべからず
この矢はづさせたまふな → このやはずさせたもうな
平家と源氏、それぞれのいる場所はどこか?
A.平家:沖に並べた舟の上
源氏:陸に並べた馬の上
扇を射抜こうとしているのは誰か?
那須与一:『扇の的』の主人公で、源氏側の弓の達人。
扇を射抜くことができなかったら、弓を折って自殺しなければならないと思っている。
扇を射抜いたときの平家と源氏のそれぞれの反応
平家: 舟のへり(側面)をたたいて感動した
源氏: えびらをたたいてどよめいた
男を射抜いたときの平家と源氏のそれぞれの反応は?
平家: 静まりかえった
源氏: えびらをたたいてどよめいた
以上、『平家物語 扇の的』原文・現代語訳と要点を紹介しました。
中学2年の国語の教科書に出てくる「扇の的」は、
那須与一が海へ馬で乗り入れて、馬上から扇を狙い、源氏と平家、両軍の観衆の注目の中で的を狙うというストーリーです。
内容は難しくないのでしっかり学習して覚えましょう。
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