身のまわりの物質
わたしたちの身のまわりにはたくさんの「物」があり、これらは『無機物』と『有機物』に区別されます。
ここではそれらをどのように区別するのかを学んでいきましょう。
物体と物質
教科書やノートは紙でできており、机や椅子の多くは、木でできています。
例えばノートを作る材料となる「紙」のことを物質(ぶっしつ)といいます。 そして、物質で構成されたノートは物体といいます。
このように、物を作っている物体の材料の種類を物質(ぶっしつ)といいます。
物質=物体の材料
【物体の例】
ノート・教科書・鉛筆・コップ・なべ・缶・はさみ・箱・ボールなど
【物質の例】
ガラス・鉄・アルミニウム・プラスチック・紙・木・水など
物体は、一般的に「物」や「品物」と呼ばれたりします。
物質の見分け方
物質にはその物質特有の性質があるので、物質を見分けるには性質を調べてみればいいですね。
物質を見分ける
1.形や見た目…色や形などが物質を見分ける目安になります。
2.加熱して調べる…加熱して変化するかを調べる。何度で状態が変わるを知ると物質を特定することができます。状態というのは「固体」「液体」「気体」のことで、融点(物質が解ける温度)・沸点(物体が沸騰する温度)がわかると物質が特定できます。
3.質量と体積から密度を調べる…物質の密度は決まってるので特定することができます。
4.水へのとけ方調べる…水にとけやすい・とけにくいを調べたり、水にとけたときの性質を調べます。
5.薬品を使って反応を調べる…特定の薬品とその反応を見ることで物質の判別をすることができます。
有機物と無機物の違い
一般に、炭素Cを含む化合物を有機物といいます。
ただし、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸カルシウムなどの簡単な炭素化合物は無機物に分類されるので注意が必要です。
簡単に言うと
炭素を含む物質かどうか?
で判別します。 炭素を含む物質を「有機物」、炭素を含まない有機物ではない物質を「無機物」といいます。
有機物=炭素を含む物質
無機物=有機物ではない物質(炭素を含まない物質)
有機物というのは、
- 燃えると二酸化炭素を発生する物質
- 加熱すると黒くこげて炭になる物質
のことをいい、無機物はそれ以外のものを言います。
有機物の例
- 砂糖・紙・木・プラスチック・ろう・エタノール・プロパンなど
無機物の例
- ガラス・鉄・アルミニウム・水・食塩・二酸化炭素・水素・酸素など
例えば、ある物質を加熱し、炎を出して燃え、二酸化炭素ができたらその物質は有機物ということになります。
また、無機物とは有機物以外のすべての物質です。
炭素 | 燃やすと? | |
---|---|---|
有機物 | あり ※二酸化炭素、炭素は例外 | 二酸化炭素がでる |
無機物 | なし ※二酸化炭素、炭素を含む | 二酸化炭素がでない |
有機物を燃やすと?
有機物を燃やすと何が発生するでしょうか?
有機物には炭素と水素が含まれていることから、有機物は燃やすことで二酸化炭素と水が発生するという性質があります。
二酸化炭素(CO₂)は有機物の中の炭素(C)と空気中の酸素(O₂ )が結びついて発生します。
水(H₂O)は有機物の中の水素(H)と空気中の酸素(O₂ )が結びついて発生します。
炭素が無機物である理由は、炭素や二酸化炭素には水素が含まれていないため、無機物という扱いになります。
上記の事から、以下のような問題が出題されたときの回答は
問題:有機物に含まれている原子を2種類答えなさい。
答え:炭素、水素
となります。
二酸化炭素が発生したかどうかは、発生した気体を石灰水に通すことでわかります。
以上、『有機物と無機物の違いと見分け方【身のまわりの物質】』を紹介しました。
中学1年で学習する内容となっています。有機物と無機物の見分け方は、その物質を燃やしたときに二酸化炭素と水が発生するかどうかがポイントです。 二酸化炭素や炭素が無機物であることも注意が必要です。
上記の有機物の例、無機物の例を参考にして燃やしたときにどう変化するかを想像するとわかりやすいかもしれません。
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